J1磐田のFW万代宏樹(23)が新境地を開拓し、ピンチをチャンスに変える。15日の練習では11対11のゲームの途中から、主力組の左MFとしてプレー。プロ入り後中盤での出場はないが、外から中へ切れ込んでシュートを放つなど、積極的な姿勢を見せた。万代は「難しい。でも自分なりのやり方を見つけられればいいと思う」と、自己流でMFの動きを体得していく。

 新助っ人FWイ・グノが加入したことで、FWの定位置争いがし烈になった。次節清水戦(19日)はFWジウシーニョが累積警告による出場停止だが、京都戦(25日)には戻ってくる。万代にとって、その前に存在感を示したい。「慣れない中盤だけど気にしない。試合に出ることが1番重要なこと」と、危機感を募らせながら気を引き締めた。

 柳下監督の考え方は明快だ。「オプションの1つ。万代の高さを生かすために、サイドからクロスを入れないといけない。選手たちが互いに特長を理解しなければいけない」と、その意味を強調。「自分が出る時は、チームが得点を欲しい時。点が入ればどんな形でもいい」と万代。位置に関係なく、貪欲(どんよく)にゴールを狙う。【栗田成芳】