“ガンバの至宝”が、いよいよベールを脱ぐ。16歳でトップ昇格したG大阪のMF宇佐美貴史が20日のACL・FCソウル戦(万博)で公式戦デビューする方針が4月30日、示された。6日のアウェー山東戦に引き分け以上で1次リーグ首位突破が決定する。その場合、最終節FCソウル戦が消化試合になるため、西野朗監督(54)が「飛躍のために使ってみたい」と起用する方針を明かした。実現すれば、稲本潤一(現フランクフルト)を抜きクラブ史上最年少でのデビューとなる。

 宇佐美のデビューが近づいた。西野監督がこの日、20日のFCソウル戦が消化試合になったケースに限り「代表に入っている2人を使うことを考えている。そうなれば飛躍のゲームになるだろう」と明言。U-20(20歳以下)日本代表に招集されているMF宇佐美と、FW大塚の2人を先発起用する考えを明かした。

 5月6日に誕生日を迎える宇佐美が出場すれば17歳14日での公式戦デビューになる。FW森本(現カターニャ)の15歳10カ月6日には及ばないが、クラブでは17歳6カ月25日でデビューした稲本を抜き最年少出場記録になる。今季からトップ昇格しまだ公式戦のベンチ入りすらしていないため、宇佐美も「1日も早く実力をつけて試合に出たい」と話していた。

 他クラブでは浦和の17歳FW原口、同じ関西でも京都の16歳FW宮吉ら同世代が既に活躍している。宇佐美も日本代表の岡田監督から「ぜひ見てみたい選手」と指名され、4月のU-20代表・静岡合宿で直接指導を受けた経緯がある。G大阪だけでなく、日本の将来を背負う存在としてかかる期待は大きい。「ガンバの至宝」が、いよいよベールを脱ぐ時が来た。【益子浩一】