東京のDF長友佑都(22)が、リードしたまま試合を終わらせる「クローザー」として起用される可能性が出てきた。14日、東京・小平グラウンドで16日の横浜戦に向けた練習を行った。紅白戦の開始時に左サイドバック(SB)に入っていた長友が、試合途中から突如、右MFに入ってプレーした。城福浩監督(48)は逃げ切りを図るような試合展開なら、長友を右MFに回す作戦を示唆。東京式の「勝利の方程式」は成功するのか。

 勝っている場面を想定した実戦練習になると、長友は本職の左SBから消えた。城福監督の指示で右MFに入り、持ち前の運動量を生かしてボールを保持する敵を追い回した。一方で味方がボールを奪取すると、すぐに敵ゴールに向かって走った。攻守に動いた長友は「(右MFを)楽しみました。やるんだったら後半だろうし、守りもカウンター攻撃もやる」と貪欲(どんよく)な姿勢をみせた。

 昨季は試合の流れで途中から右MFに入ったことがあるが、紅白戦では初めてという。右利きで、もちろん右SBもできるが、攻撃的MFへ配置転換されるのは異例だ。城福監督は「(長友は)守備固めで(敵を)追うことができる。終盤の時間帯で動ける選手は限られている」と説明。失点を抑え、さらなる追加点を奪うための「クローザー」役に指名した。

 今季の東京は先月18日千葉戦で1-0から残り4分間で逆転負けを喫した。同点に追いつきながらの敗退も2試合ある。勝負弱さがリーグ13位と低迷する原因の1つでもある。長友は12日に母校・明大の早大戦(西が丘)を観戦したことを明かし「ひたむきさとか、泥くささを見て昔を思い出した。自分も右MFに入っても攻守にどんどんいけると思う。後輩は今、リーグ2位。負けていられない」。東京の逆襲は右MF長友という「勝利の方程式」がカギになりそうだ。【藤中栄二】