日本代表FW大久保嘉人(27)がブンデスリーガ・ボルフスブルクから神戸へ復帰した。神戸が16日に発表。大久保は都内の楽天本社に神戸・三木谷浩史会長を訪ね、復帰を報告した。12年1月までの2年半契約で、年俸はドイツ時代から半減以上の8000万円(推定)となった。背番号は50番で、17日からチーム練習に合流。登録が間に合えば、21日の広島戦(広島ビ)で復帰する。

 大久保の目は名誉挽回(ばんかい)に燃えていた。今年1月、神戸の残留要望を蹴って欧州挑戦したが、わずか6カ月で戻ってきた。ドイツではリーグ戦9試合に出場し、無得点。年俸2億円(推定)で結んだボルフスブルクとの契約が11年6月まで残っており、チームは来季の欧州チャンピオンズリーグ出場権を得ているため、残留の選択肢もあった。しかし、恥を忍んで、年俸を半分以上下げても、出番を求めて古巣復帰を決意した。

 大久保

 プライドを捨てた。恥ずかしいと思ったら帰ってこなかった。ドイツでは先発チャンスがあまりなくて、自分でサッカー勘が落ちているのを感じていた。神戸で試合に出続けて、試合勘を戻して、来年の南アフリカW杯に向かいたい。

 神戸から復帰の打診を受けたのは4月中旬。悩む日々が続いたが、復帰の決定打となったのは、日本代表として臨んだ親善試合のベルギー戦だった。「熱を出したせいもあるけど、体力が続かないし、シュートの感覚も鈍かった。このままでは代表にも生き残れないと思った」。試合直後に、神戸に復帰の気持ちを伝えた。

 神戸からボルフスブルクへの移籍金は、1月の移籍時とほぼ同額の約3億円だ。「僕のために大金を払ってくれた神戸に恩返ししたい。得点とアシストをできるだけ多く決めたい」。神戸にスムーズに溶け込むため、W杯アジア最終予選カタール戦(10日)後、今季神戸の試合DVDを見て、研究をしてきた。移籍証明書到着などの手続きが順調に進めば、21日の広島戦から出場する。【盧載鎭】