札幌が「クライトン一極集中型」からの脱却を図る。コンサドーレ札幌は18日、札幌ドームサブグラウンドで紅白戦を行った。石崎信弘監督(51)は、この日から練習に合流したMFクライトンのキープ時間を短くし、速いパス回しを生かしリズムをつかむ新戦術への移行を示唆した。司令塔の高いキープ力は、あくまで“アクセント”とした新スタイルへと進化させ、レベルアップを図る。

 クライトンを絶対的主役から“主役の中の1人”としてミックスすることで相手守備のかく乱を狙う。石崎監督は「選手にはクライトンばかり見ないようにと話している」と口にした。実際、この日の紅白戦では攻撃に行き詰まると司令塔頼みになる以前の状況から一変。ボランチの宮沢を中心にパスを回す、テンポのいい攻撃を披露。クライトンも意図をしっかり把握し、ボールほしさに中盤の底まで下がる姿はなかった。「いい状況になっている」と指揮官は手応えを感じている。

 シンプルなパス回しに、クライトンが個人技でアクセントを加えテンポを変える。「全部ではなくポイントでクライトンがタメをつくってくれることで、よりキープ力が生きてくるはず」とMF藤田。絶対的支柱不在の中で得た収穫を生かし、21日の首位湘南戦撃破を目指す。【永野高輔】