安田の緊急コンバートで再スタート!

 G大阪はリーグ再開となる20日新潟戦(万博)に向け19日、大阪・万博練習場で練習を行った。けがで別メニュー調整中のFWレアンドロ、MF遠藤、明神の欠場が決定。西野朗監督(54)は、18日の練習まで主力組の左サイドバックだったDF安田理大(21)を急きょ2列目の左へ配置転換した。主力3人を欠く中、安田の突破力と積極性が、リーグ戦巻き返しの切り札となる。

 試合前日に西野監督は決断した。安田の6試合ぶり先発復帰。しかも、18日の練習までの左サイドバックではなく、2列目の左で緊急テストした。「急だったんで、びっくりした」と驚いた安田は驚いだが、紅白戦では得意のドリブルで左サイドをえぐり、2トップへ絶妙のスルーパスを送った。「出られるなら、どこでもいい。FWと近い距離を保ちながら、プレーしたい」と前向きだった。

 「安田はずっといい状態だった。前(2列目)でも持ち味を発揮してくれるはず」と西野監督。遠藤が右太もも裏痛で今季リーグ戦初の欠場が決まった。明神も右足首のねんざで復帰にメドが立っていない。手薄な中盤の“救世主”として期待した。

 本職の左サイドバックではG大阪ユースの1年後輩、DF下平にレギュラーを奪われた。そして、日本代表からも外れた。だが、自然と士気は下がらなかったという。「代表の試合をテレビで見ていると、自分もやらなあかんなと思えた」。今月上旬のグアム合宿ではチームの先頭に立ち、大声を出しながらプレー。持ち味であるドリブル突破の切れ味が戻った。

 リーグ戦は5位で首位鹿島との勝ち点差は9。逆転優勝へ、3位新潟戦は絶対に負けられない。「コンディションもいいよ。新潟戦は父の日の前日。1児のパパとしてかっこよく勝ちたいね」と笑った。21歳の若き父親が、主力不在のピンチを乗り越え、G大阪を勝利へ導く。【奈島宏樹】