<J1:柏3-2磐田>◇第15節◇27日◇ヤマハ

 磐田が、17位の柏に2-3で逆転負けを喫した。FW成岡翔(25)が、先制点を含む全2得点に絡む活躍を見せたが、守備でのミスが続出。2度のリードを守れずに、後半ロスタイムにCKから決勝点を許し、リーグ再開後2連敗となった。

 試合は痛恨の逆転負けだった。だが「FW」成岡は後半途中でピッチを出るまで、チームのアクセルを何度も踏んだ。前半20分、DF駒野の右クロスにフリーで頭に合わせ、先制弾を決めた。さらに1-1で迎えた後半13分には、FW前田のスルーパスを受け、相手3人に囲まれ倒されながらのシュートがMF西の前にこぼれ、勝ち越し点に。成岡は「ためがつくれれば、厚みのある攻撃ができる」と「ポスト・イ」の攻撃布陣に手応えをつかんだ。

 ミス続出で不安定な守備陣を、必死にもり立てた攻撃陣だが最後に失速した。後半24分に成岡を下げ、同27分に西も交代させた柳下監督は「(成岡は)2点目が入る前から消えていた。守備のところで押し込まれるところがあった」と説明。守備での運動量を懸念し交代させたが、皮肉にも終盤ゴールを奪えず、勝ち越し点を許す結果となった。

 チームはリーグ2連敗。退団したイ抜きでの勝利は、ない。指揮官は「グノ(イ)のゴールへの強さは、チームに残っている。前への推進力は高まった」。球際で競り勝ち、こぼれ球を詰め、厚みのある序盤の攻撃に手応えを強調した。だからこそ、この日結果を残した選手が途中でピッチを去ったことが、悔しい敗戦に影を落としたように見える。【栗田成芳】