1カ月以上の準備期間をへて、ベガルタのブラジル人助っ人が、ついにベールを脱ぐ。J2仙台FWサーレス(23)が、19日の鳥栖戦での先発デビューが濃厚となった。16日の紅白戦で主力組に入り、息の合ったプレーを披露。選手登録が完了する見込みで、鳥栖戦から出場可能となる。鬼門の夏場を乗り切りJ1昇格への切り札として、手倉森監督の期待も大きい。

 新戦力のために行った紅白戦で、サーレスがイレブンの信頼をつかんだ。初めての主力組で、中島とツートップで出場。息のあったコンビネーションで最終ラインを崩し、ある場面ではスピードあふれるドリブル突破を図る。得点こそなかったが、動きの良さを認められ、必然的にボールが集まった。

 ボランチの位置から助っ人の動きを見守った斉藤と永井は「周りも使えるし、自分でも仕掛ける。前線にボールが収まるから攻め上がりやすい」と口をそろえる。中島も「高さという武器があるし、シュートまで持って行くうまさもある」とベタ褒め。初の主力組での紅白戦で、サーレスの評価は急上昇だ。

 6月12日の練習参加から約1カ月も、チームで練習できたメリットが出た。手倉森監督は「(慣れるための)アドバンテージはある。明日(17日)もやるけど、今日のうちから(連係の)確認したかった」と、異例ともいえる試合3日前の紅白戦を決断。出場解禁となる鳥栖戦から、先発出場させたいためだ。サーレスは左内転筋に違和感があるが、指揮官はギリギリまでチェックし、出場させたい考え。鬼門の夏を乗り越えるキーマンに、サーレスが名乗り出る。【山崎安昭】