<J1:名古屋3-0浦和>◇第19節◇25日◇埼玉

 2位の浦和はホームで名古屋に完敗し、2連敗。鹿島との勝ち点差は10に広がった。

 屈辱的な敗北だった。浦和がホームで何もできなかった。決定機をほとんどつくれず、何度も名古屋にカウンターを食らった。約4万5000人で埋まったスタンドからブーイングが降り注ぐ。試合途中で席を立つサポーターもいた。DF阿部勇樹(27)は「今年、経験してないような負け方。パスを出すところがなかった」とうなだれた。

 194センチの名古屋FWケネディを意識しすぎて、ほかの選手へのマークが甘くなった。前半14分の最初の失点が象徴的だった。ファーサイドでクロスを待っていたケネディを、DFの阿部と高橋が2人でマーク。こぼれ球をMF小川に拾われ、折り返しを玉田に押し込まれた。3失点目はケネディ自身に得意のヘッドでねじこまれた。身長185センチのDF闘莉王が故障離脱したのも響いた。

 前節では14連敗中だった大分に0-1で敗れた。その屈辱的な敗北に続く2試合連続の完封負け。しかも、ホームでは03年9月13日以来の3点以上を奪われての無得点敗戦だった。フィンケ監督は「勝ちたいという希望が強く、それが試合に悪い影響を与えた。視野が狭くなり、ミスを繰り返した」と敗因を分析した。

 強風の中の試合で、主将の鈴木はGK山岸と相談して、前半に普段とは逆側の風上を選択した。しかし、同監督は「本当なら風に向かっていく方(風下)にした方がいい」。方向性が統一されていなかった。勝ち点差9で追っていた首位鹿島との差は今季最大タイの10に再び開いた。鹿島の背中はいっこうに見えてこない。【今井恵太】