<J1:柏4-1浦和>◇第22節◇19日◇埼玉

 ホームに柏を迎えた浦和は、DF田中マルクス闘莉王(28)の得点で連続無得点時間にピリオドを打つも、今度は守備が崩壊してリーグ戦5連敗。7位に転落した。

 いつもは強がるフィンケ監督(61)も、憔悴(しょうすい)しきった表情で、力なく完敗を認めざるを得なかった。「このような内容の悪いゲームをして謝りたい」。02年シーズンのセカンドステージ第10節~15節の6連敗以来、約7年ぶりの5連敗。5戦連続完封は逃れたものの、今季ワースト、昨年12月6日の横浜戦で喫した6失点以来となる4失点と、守備も崩壊。「内容は悪くなかった」の決まり文句すら出てこないほど、ふがいない内容だった。

 1度はまった泥沼は、あまりに深かった。2点ビハインドの前半38分、腹直筋の痛みを抱えながら公式戦5試合ぶりに強行先発したDF闘莉王が、追撃のゴールを頭でたたきこんだ。チームにとって、公式戦では実に518分ぶりとなる待望の得点。後半からは、DF山田暢に代えて攻撃的MFの梅崎を投入し、ボランチを1枚減らして前線を厚くした。同28分にはDF平川を下げてFWエスクデロまで送り出した。だがその1分後に3点目、同40分にとどめの4点目を奪われた。ボランチで先発した堀之内は「(課題が)分からないから、こういう結果になる。ロングボールが多く、(今季)積み上げてきたサッカーができなかった」。敗戦を繰り返すうちに、目指すべき形もぼやけていた。

 DF坪井とMF鈴木を累積警告による出場停止で欠き、MF山田直は左足首ねんざで欠場。苦しい台所事情ではあったが、フィンケ監督は「今日のメンバーは運動量が足りなかった」と繰り返し、不振脱却への具体策に言及しなかった。闘莉王も「今日は勘弁して」と言うのがやっとだった。

 一気に7位に転落。長いトンネルの出口は、いつになったら見えてくるのだろうか。【今井恵太】