<J1:鹿島3-1東京>◇第23節◇23日◇カシマ

 首位鹿島が東京に3-1で快勝した。前半4分、MFダニーロ(30)が先制点を奪い、同21分にはFWマルキーニョス(33)が追加点。後半32分にはFW大迫勇也(19)がダメ押しのゴールを決めた。リーグ戦折り返し後、1勝2分け2敗と不振で、この一戦に向けて今季初の2泊3日の「ミニ合宿」を実施。一丸となって挙げた1勝で、史上初の3連覇へ再加速しそうだ。

 試合終了を告げる笛と同時に、晴れやかに笑う鹿島イレブンの姿があった。リーグ後半戦突入後、1勝2分け2敗という不振に陥っていたが、そんなモヤモヤを吹き飛ばした。DF岩政が「久しぶりにいい形で勝てた」と話したように、まさに王者の戦いだった。

 序盤で勝負を決めた。前半4分、DF新井場のクロスをMFダニーロが左足で流し込み先制すると、同21分にはFWマルキーニョスが追加点。「連敗は許されなかった。今日は勝たなければいけない試合だった」。ダニーロの言葉が、チームの思いを代弁していた。

 通常はホームの試合前にベンチ入りメンバーが選手寮に前泊するが、今回はチームで2泊3日の「ミニ合宿」を張った。これまでは前から激しくボールを奪いに行く得意の守備にこだわり、終盤に体力切れが生じた。だが、この日は得意の形に加え、時には後方を固めて相手の縦パスを待ち構える作戦が成功した。DF伊野波は「前から行くだけではバテる。後ろを固めて守る時とのメリハリが大事。合宿で話し合う」と言っていたが、まさに合宿効果が表れた。

 寝食、風呂をともにすることで精神面、戦術面の統一ができたが、オリベイラ監督にはそれ以外の狙いがあった。「合宿をすることで食事、睡眠、休養を管理できた」。疲労蓄積による運動量低下を回避する策も功を奏した。「連勝することが大事」と主将のMF小笠原。苦境を乗り越えチームでつかんだ勝ち点3を今後へのカンフル剤にする。【菅家大輔】