17日の柏戦で左ひざを負傷した東京MF石川直宏(28)の今季リーグ戦への復帰が絶望となった。19日、埼玉県内の病院で精密検査を受け、左ひざ前十字靱帯(じんたい)不全損傷と診断された。損傷の程度が完全に確認できず、クラブからは全治までの期間は発表されなかったが、手術を回避する治療法を選択したとしても一般的に全治には1~4カ月間を要する。今季リーグ戦の出場や、11月に予定されている日本代表の南アフリカ遠征に参加することも困難となった。

 石川は精密検査を受けた後、「(前十字を痛めたという)ボクの感覚は間違ってなかった。今日は、検査と触診で損傷がどの程度か正確には分からなかったので、あらためて検査を受けます」と説明した。20日に再検査し、同28日には内視鏡による検査も受けた上で手術をするかどうかを決断するという。石川は「まず(11月3日)ナビスコ杯決勝はみんなに任せます」と、気丈に話した。

 もし手術となれば今季絶望だけでは済まない。前十字靱帯の再建手術を受ける場合は負傷後、約3週間は安静にする。手術は早くても11月中旬で、そこから全治まで半年近くはかかるだけに、来年6月の南アフリカW杯出場という目標に大きく影響する。石川は「もう気持ちの切り替えはできていますけど、より(損傷の程度を)はっきりさせたい。まだ最後の望みは捨てていないです」と淡々と話していた。【藤中栄二】