コンサドーレ札幌DF石川直樹(24)の来季残留が微妙になった。札幌の三上大勝強化部長(38)は19日、石川を柏から完全移籍で獲得することが、資金的に不可能となったことを明らかにした。期限付き移籍延長では、柏側にメリットが少なく、貴重な戦力を手放さざるを得ない状況も出てきた。

 7月に加入し、DFの統率役を務める石川が、今季限りでチームを去る可能性が出てきた。三上強化部長は「来季も必要な戦力」としながらも「完全移籍での獲得は資金的にできない」と話した。石川は来季も柏との契約が残っており、完全移籍には4000万円を超える違約金が必要。だが来季はトップチーム人件費を今季から2億円近く削減するだけに、1人の日本人選手獲得に多額の資金を割くことはできない。

 期限付き移籍の延長という手段はあるが、移籍金撤廃の新ルールが適用されるため、来オフ以降の完全移籍では柏側に入る違約金はなく、柏が難色を示すのは確実。三上強化部長も「現実的に厳しい」と漏らした。

 柏はJ1残留争いを繰り広げており、陥落して来季同じJ2で戦うとなれば、引き留めはさらに難しくなる。石川本人は石崎監督の下でのプレーを望んでいるだけに、同部長は「具体的なことはこれから」と今後の交渉に全力を傾ける。