<ナビスコ杯:東京2-0川崎F>◇3日◇決勝◇東京・国立競技場

 どれだけ涙を流せば、タイトルに届くのか…。歓喜の東京を背に、川崎FのDF伊藤宏樹(31)はへたり込み、MF谷口博之(24)も涙した。

 00、07年に続き3度目の決勝も散った。06、08年のリーグ2位を含め、あと少しのところで頂点に立てない。関塚監督は「1点取られた後、自分たちのサッカーをやり切れない弱点が出た」と語った。

 東京米本のミドル弾を防ぎ切れなかったGK川島は「ボールがぶれて見えた。エリア外からで、簡単ではなかった気がする」と悔やんだ。MF中村は「攻め込みながらポンと先制される、一番嫌な点の取られ方をされた。慌てて、中央から突っ込みがちになるという川崎の良くないところが出てしまった」と話した。

 悲願の初Vへ、残るは勝ち点1差で首位のリーグ戦と天皇杯。8日にリーグ千葉戦が控えるが、関塚監督は「どうしたらいいか、今は考えられない」と答えるのがやっと。中村は「チームの力はそこで問われる」と、必死に気持ちを切り替えようとしていた。【村上幸将】