心はもうJ1!

 J2仙台の手倉森誠監督(41)が、7シーズンぶりのJ1昇格を決めた水戸戦から一夜明けた9日、来季に向けた戦いのスタートを宣言した。仙台市内のホテルで会見し「早く昇格が決まったメリットを生かし、最終戦まで秋季キャンプの気持ちで臨みたい」と発言。優勝争いという、新たなモチベーションも残るリーグ戦3試合+天皇杯を、J1での戦いにつながる「強化期間」にする意向を明かした。

 J2の終わりはJ1の始まり-。100件以上の電話やメールが届き、J1山形の小林監督やJ2湘南反町監督からも祝福された指揮官が、前夜までの笑顔を封印した。

 手倉森監督

 今シーズンの残り試合は、来季に向けた戦い。昇格は達成したけど、消化試合じゃない。控え組に出番を与える意見もあるだろうけど、今まで通り準備した選手しか使わない。

 リーグ残り3試合は22日のC大阪、29日の徳島、12月5日の愛媛戦。天皇杯は15日に4回戦(J1東京とJ2草津の勝者)がある。リーグ優勝を争う勝ち点2差の首位C大阪も、8日に昇格を決めた。「セレッソは来季もJ1で戦うライバルだし、天皇杯も勝ち進めばJ1勢と多く当たれる」と同監督。真剣勝負を重ねてレベルアップを図る。

 さらに、年が明けた来季の強化案にも言及した。「今年の昇格メンバーがベースだけど、各ポジションに実力が近い選手を最低2人は置いて競争させたい」と補強を示唆。「チームがJ1に上がっても、個人が上がらなければ意味がない」とMF梁、関口が不動のサイドハーフも聖域ではなく、J1に向けて定位置争いを激化させる考えだ。

 さらに、来年のW杯南アフリカ大会に「仙台が育てた選手を送り込む」と手倉森監督。DF渡辺、菅井、MF富田、関口、FW中島、中原に「本気で代表を目指せ」と伝えた上で「J1上位なら選出の可能性はある。代表と掛け持ちで、J2の51試合より多い経験が積めれば面白い」と期待。J1での戦いに向けて、前向きなプランが次々と飛び出した。【木下淳】