J1残留目前で足踏みするモンテ戦士に、指揮官が「最後のムチ」を振るった。前日8日にJ初のシュート0本で、鹿島に屈辱的な完封負けを喫したJ1山形は9日、ランニングなどでクールダウンをした。練習に先立ち小林伸二監督(49)は、あえて円陣で「このままでは(J2降格という)恐ろしいことになる」と、危機感をあおった。

 前日、降格ボーダーラインの16位柏が5-0で大勝し、勝ち点差を7に縮められた。残り3試合で、勝ち点3を奪えば自力で残留と優位な状況に変わりはないが、あえて選手の耳には痛い言葉を並べた。

 小林監督

 (名門の)千葉の選手が泣いた。柏は、もともとタレントがいて強い。(柏が)3連勝、うちが3連敗(で降格)だってある。うちは(天皇杯で)大学生に負けた。ほぼ残留が決まったような報道で、そういう感じになってたら恐ろしいことになる。

 ショッキングな敗戦から一夜明け、あえて傷口に塩を塗るような言葉責め。指揮官は「うちは選手もクラブも、落ちる怖さを知らない。予算もなくなり選手もいなくなる。おれは何回も見てきた。強い気持ちがないと残れない」と報道陣にもドスの利いた声で話す。間隔の空く21日大宮戦に、選手に目を覚まして臨ませるための荒療治だった。【山崎安昭】