サッカー道リーグで今季1部に初参入し初優勝した札大GPが、念願のJFL昇格をかけ、21日に開幕する全国地域リーグ決勝大会(福島・いわき市ほか)に挑む。決戦を間近に控え、GK三上浩平主将(4年)は「モチベーションは高い。意識高く練習できている」と自信を口にした。

 昨季までコンサドーレ札幌でDFとして活躍した池内友彦プレーイングマネジャー(32)のチーム作りが、実を結んでいる。学生との意識の差を埋めるべく、池内氏は「お前たちにとっては“部活”かもしれないがおれには“仕事”。大人のサッカーをしろ」と言い続けてきた。戦術にもイズムを行き届かせてきた。共通理解、コンディション作り、ユーティリティー性…。選手個々が試合の流れを読んで判断し、状況に合ったプレーを意識できるようになってきた。

 高い目標達成に向け、道内外の遠征も数多く実施した。学生のため費用が捻出(ねんしゅつ)できずに帯同できない選手をなくそうと、公にアルバイト活動を認めた。過去同大では基本的に禁止していたが、池内氏は「親に負担をかけるわけにはいかない」と説明。三上主将も「JFLやJ2の選手も働きながらプレーしている」とプールで監視員をしてきた。他の選手もすしの配達やテレビ局のアシスタントなどで遠征費をつくってきた。

 1段上に進むための第1歩となる今回、三上主将は「JFLに上がりたい」と力を込めた。1チームしか手にできない決勝ラウンド進出のためには、3年連続4度目出場の強豪グルージャ盛岡(岩手)との初戦がカギとなる。【井上学】