西野朗監督(54)の来季続投が内定したG大阪が、参謀役として松波正信氏(35=現ユースコーチ)のトップチーム昇格を検討していることが21日、分かった。西野監督の続投は週明けにも正式発表される見通しで、その「右腕」として松波氏をコーチに置く。93年のJリーグ開幕からG大阪ひと筋の「ミスターガンバ」が西野体制の一員に加わり、常勝クラブ作りに全力を注ぐ。

 クラブ側は松波氏を将来の監督候補に挙げており、西野監督の下で「帝王学」を学ばせたい考えだ。G大阪がリーグ初制覇した05年に現役引退し、その後はユースコーチに就任。昨年は同監督として「G大阪の至宝」と呼ばれるMF宇佐美らを育て上げ、就任わずか1年でJユース杯で6年ぶりの全国制覇を達成した。現在は同コーチを務めており、兄貴分的な存在として選手育成には定評がある。

 G大阪のトップチームはMF遠藤が来年で30歳となり、MF明神、DF山口ら主力選手のほとんどが30代。新戦力の突き上げがなく、新旧融合が進んでいない。クラブ幹部は「来季人事についてはシーズンが終わってから」と明言を避けたが、Jの関係者は「(松波氏入閣の)話は進んでいる」と明言。若手育成など、松波氏が西野体制の重責を担うことになりそうだ。