カシマの戦いを制して、天下取りだ!

 G大阪の西野朗監督(54)が大一番でリスク覚悟の猛攻撃を仕掛ける。28日の首位鹿島戦(アウェー)に向け、27日は大阪・万博練習場で最終調整を行った。鹿島戦では昨季から公式戦4戦連続無得点。リーグ最少失点の守備陣を崩すため、指揮官は本来の攻撃的布陣にすごみを加えた玉砕覚悟の“4トップ”で臨む考え。敗戦ならV逸、勝てば逆王手の可能性がある天下分け目の戦いで、腹をくくった大勝負に打って出る。

 天下分け目の戦いへ、G大阪の将の腹は固まった。燃えたぎる闘志を隠すかのように西野監督は、この日の約1時間の調整をジッと見守った。最後まで冷静さを装ったが、言葉の節々に鹿島戦にかける尋常ではない意気込みがあふれ出てきた。勝てば2位川崎Fの結果次第で逆王手。敗戦なら目の前で3連覇を見せつけられる可能性もある。燃える要素には事欠かない。

 西野監督

 勝負をかける。勝たなければチャンスは膨らまない。勝ちきるスタイルを(選手に)メッセージとして送りたい。リスクを負ってでも仕掛ける。

 02年の就任から築き上げてきた「超攻撃的」の集大成として、玉砕覚悟の布陣で臨む覚悟だ。鹿島には昨季から公式戦4戦連続で無得点。リーグ最少29失点の難敵を崩すためルーカスとペドロ・ジュニオールに加え、2列目の二川と佐々木にも最前線へ飛び込むことを指示した。実質的な4トップ。さらに終盤にはチョ・ジェジン、播戸という切り札もいる。逆転Vへ、猛攻を仕掛けるのみだ。

 西野監督

 二川や佐々木はもっとアグレッシブでなければいけない。シャドー(第2のFW)であってはは困る。ボランチも常に守備に吸収されてはいけない。明神であってもそう。(攻撃の)数で対抗する。

 指揮官の決意は、選手にも伝わった。佐々木は「どんどん勝負をしていきたい」。遠藤も「(攻撃的な)戦い方を変えるつもりはない」と言った。一時は首位と勝ち点19差まで離されながら、後半戦10勝4分け1敗と驚異的な追い上げを見せた。この戦いに勝てば、西野監督にとってJ1通算200勝という節目の白星にもなる。やるか、やられるか。西野監督率いるG大阪軍は、ひたすら攻めて鹿島軍に斬り込む。【益子浩一】