J1山形からオファーを受けていた元日本代表の鹿島FW田代有三(27)が、山形への移籍を決断したことが22日、分かった。複数の関係者の話によれば、今季切れる鹿島との契約を延長し、山形への期限付き移籍が濃厚だ。早ければ今週中にも正式発表される。

 J1初年度だった今季の山形は、リーグ戦の総得点でワースト2位タイの32得点と、得点力不足が浮き彫りになった。今オフの補強は、攻撃力アップが最優先だった。かねて小林監督は「スピードもあるし、高さがある。動き方もうちに合う」と、田代の獲得をクラブに要望していた。大分を指揮した03年には、特別指定選手として田代をリーグ戦に起用し、その素質を高く評価していた。

 田代の決断には、DF石川の説得も大きかった。06年途中まで鹿島に在籍した石川は、田代へのオファーが報じられた後「移籍経験がないと、不安なものだから」と気配りし、電話でクラブ事情や環境を詳細に伝えていた。今季リーグ戦16試合に出場も、先発は1試合にとどまった田代。求めていた先発機会と、先輩の配慮に心を動かされた点取り屋が、J1定着を目指すモンテ戦士の一員に加わる。【山崎安昭】