勇気を与えた!

 勇気をもらった!!

 J1清水FW岡崎慎司(24)が28日、静岡市葵区の県立こども病院を慰問した。病気と闘う子どもたち約50人を前に、リフティングを披露し、自ら用意したプレゼントの抽選会を行った。「みんなの応援に応えるためにも、エスパルスで盛り上げたい」と、クラブ通算300勝がかかる次節浦和戦(5月1日=エコパ)に向け、あらためて必勝を誓った。

 闘病中の子どもたちから大きな力をもらった。午後1時からの練習を終えた岡崎は、急いでこども病院へ向かった。「子どもたちに勇気を与えたい」と自発的に企画した慰問のためだった。病院に到着すると特設会場に入る前の控室で「うまくしゃべれるかな…」と、不安な表情を見せていたが、約50人の子どもたちに出迎えられ「みんなからパワーをもらいに来ました。ぼくも、みんなにパワーを与えられたらうれしいです」と、優しい笑顔で語りかけるようにあいさつした。

 一気に雰囲気が和むと、病棟内でリフティングを披露した。会場が盛り上がると、自ら用意したオリジナルのTシャツの抽選会を実施し、当選者にはサインを書いてプレゼントした。約1時間半のふれあいを終え「招待されて行ったわけじゃないから、ちょっと不安だったけど、想像していたよりすごく歓迎してくれてうれしかった」と満足そうに話した。同病院の山崎センター長も「入院している子どもたちの中には身体的にも、精神的にも重い病気を抱えている患者さんもいる。普段はみんな病気と闘っている。家族の人たちも一緒。こういう心理的なサポートはすごく大事。本当にありがたい」と岡崎の行動に感謝した。

 慰問後は、前歯を折って以来着用するマウスガードの再調整のため歯科医に直行。さらに、静岡市内のホテルでテレビ取材を受けるなど多忙を極めるが「忙しくて疲れるよりも、パワーをもらう方が大きい」。果敢に頭から飛び込むための、何よりの勇気をもらった。【為田聡史】