<ナビスコ杯:清水1-1広島>◇準決勝第2戦◇10日◇アウスタ

 清水は引き分け、08年以来2年ぶりの決勝進出はならなかった。

 決勝を目前にしながらタイトル獲得への道が断たれた。圧倒的に試合を支配したがワンチャンスで先制点を奪われ、その後の反撃も1点に終わった。長谷川健太監督(45)は「本当に悔しい。『これがサッカー』という表現しかない。リーグ戦も(優勝は)厳しい状況で、最近はいい試合ができるようになったが、結果に結びついていない」と無念そうに話した。

 首位名古屋と勝ち点差13で優勝は絶望的となっているリーグ戦に続き、ナビスコ杯のタイトルも逃がした。指揮官は複数年契約が終了する昨季を「集大成の年」としながら、地元清水への強い思いから続投を決意。だが、タイトル奪取に向けて厳しい戦いが続く。この日の試合後、来季以降の去就については「最後まで全うして選手とともに全力で戦うしかない」と、コメントするにとどめた。

 同点ゴールのMF小野は「僕が2点入れていればいい。大事なのは結果」と敗退の責任を背負い込んだ。主将のMF兵働も「一番タイトルに近い大会だった。内容が良くても勝たないと意味がない。まだまだ、力不足です」と、唇をかんだ。

 ナビスコ杯は逃がしたが天皇杯を含む残りのシーズンは終わっていない。長谷川体制6年目で成熟期を迎えた今季だからこそ「内容」だけでなく「結果」に対しての周囲の目はシビアになる。【為田聡史】