浦和の来季監督に、今季プレミア1部ウェストハムでアシスタントマネジャーを務めたゼリコ・ペトロビッチ氏(45)が就任することが24日、分かった。クラブ側は就任2年目のフィンケ監督と契約を更新しない方針を固め、10月末に後任候補としてペトロビッチ氏と水面下で交渉。条件面で合意していた。同氏はこの日、ウェストハムを正式に退団。浦和と1年契約でサインを交わした。

 ペトロビッチ氏は元ユーゴスラビア代表MFで、97年から00年まで浦和に所属。献身的な守備と闘志むきだしのプレーで知られたが、指導者に転向後も情熱的な指導に定評があり、ボアビスタ(ポルトガル)やRKC(オランダ)で監督を務めた。浦和側はフィンケ体制下で築いたパスサッカーの土台を来季も継続強化、発展させる方針で、ペトロビッチ氏にも伝え了承を得た。新潟DF永田充、同MFマルシオ・リシャルデス、トムMF松井大輔ら外部からの戦力補強を検討しており、今後、新監督の意向とクラブの経営状況を考慮しながら交渉を進める。

 指揮官交代により、一時は後任候補に挙がっていた福田正博氏ら、現在のトップチームのコーチ陣も総入れ替えとなる。ペトロビッチ氏とともに招聘(しょうへい)する外国人コーチに加え、クラブ内部から日本人指導者をトップ昇格させる方針。橋本社長は「11月末までに総合的に判断する」と話しており、27日の川崎F戦(等々力)後にも来季体制を確定させる考え。低迷脱出へ、浦和が新監督を迎えて再出発する。