<J1:神戸4-0浦和>◇第34節◇4日◇埼スタ

 神戸和田昌裕監督(45)の目から涙があふれ出た。後半ロスタイムに18歳のFW小川慶治朗がダメ押しの4点目を挙げる。DF宮本から「東京が負けています」と耳打ちされると、感情を抑えることができなくなった。「とにかく奇跡というか、選手たちはスゴい。ただそう思うだけです。本当に諦めず、選手を信じてきて良かった」。

 三浦前監督の解任を受け、9月18日広島戦から2年連続でシーズン途中から就任。選手との対話を重視し、時には酒も付き合った。いつしか「和田さんのために-」が選手の合言葉になった。終盤7戦は4勝3分け。エース大久保が左足肉離れで今季絶望になりながら踏ん張った。

 FW大久保は「最後に団結した。W杯の日本と一緒。諦めない気持ちが大事なんよ」。2得点を決めた吉田は「和田さんを何とかしたい。男にしたかった」と心から言った。劇的にJ1に残った神戸の中心で、和田監督が泣きながら優しい笑みを浮かべた。【益子浩一】