海外移籍を目指す清水の日本代表FW岡崎慎司(24)が、欧州移籍先候補をブンデスリーガの名門シュツットガルトに一本化したことが13日、分かった。フランス1部リーグのモナコなど複数クラブからも打診があったが、この日までに最も高い評価をしているシュツットガルトに絞り込んだ。正式オファーがあり次第交渉に入る。残留の可能性を残す清水への配慮から、交渉の長期化を避け、来週中にも去就を決断する。

 サムライ・ストライカーの夢が、いよいよ現実味を帯びてきた。山形との天皇杯準々決勝(25日)に向けて練習を再開した13日、岡崎は「まだ何も聞いていない」と前置きしながらも、「行けるものなら行きたい。評価してもらえるのはうれしいこと。年内に動きがあればいいですけど」と、あらためて強い海外志向を表明した。

 欧州移籍の場合の交渉クラブを、この日までに代理人サイドに獲得の打診が届いたシュツットガルトに一本化した。「いい評価をしてもらっている」と代理人契約を結ぶロベルト佃氏も好感触を得ている。また今季、ドルトムントのMF香川が8ゴールを量産して首位独走の原動力になっていることで、日本人ストライカーへの評価がドイツ国内で急上昇していることも、今後の正式オファーへの強い後押しになる。

 11月にシュツットガルトの強化責任者のボビッチ氏がJリーグ視察のため来日。近い関係者に「今回のターゲットはオカザキ」と明言していた。現在18チーム中17位に低迷するチームの起爆剤として、本気で獲得を目指している。残留の可能性も残っているが、すでに清水も岡崎の海外挑戦に全面支援を約束。正式オファーがきた場合のクラブ間交渉も大きな支障はない。

 岡田ジャパンでは驚異的な決定力で09年に15得点を量産。エースとして臨んだW杯南アフリカ大会では直前に控えに回ったが、全4戦で途中出場して1得点を挙げた。W杯後も10月のアルゼンチン戦でザッケローニジャパンの第1号を決めている。「日本代表で海外のチームと対戦することで(海外移籍の)チャンスが広がる」と話した岡崎が、いよいよ新たな挑戦を始めようとしている。