鹿島が清水の日本代表MF本田拓也(25)を獲得することが決定的になった。複数の関係者によると、本田は17日までに、移籍の意思を固めたという。今後はクラブ間の詰めの交渉をへて、年内にも双方が移籍に合意し、正式発表に至るとみられる。

 向上心が、清水への強い愛着を上回った。同日の清水との契約更改交渉後、本田は両クラブへの義理立てから、移籍の意向を明言しなかった。だが「代表では周囲のレベルが高かったので、海外などでやりたいという気持ちが生まれた。(強豪の)鹿島でなかったらオファーに魅力を感じなかったと思う。移籍金を払ってでもというところにも、自分を大事に思ってくれる気持ちを感じます」とコメント。W杯、欧州でのプレーを経験したMF小笠原、中田と競争する、厳しい環境での挑戦を望む気持ちの一端を語っていた。

 鹿島も「大駒」の受け入れを前提に、すでに補強方針を転換している。清水との契約を2年残す本田に対し、1億円近い移籍金も準備。ボランチの数的充実をふまえ、MF中田や青木のDF兼任プランも浮上した。そのためDF大岩が引退したセンターバックの補強は、ここにきて保留になった。生え抜き選手での戦いにこだわってきた名門にとって、例の少ない代表クラスの補強。王座奪回への並々ならぬ思いの表れだ。