ツネ様が未来の代表選手を育てる。G大阪のジュニアユースコーチに就任した宮本恒靖氏(37)が28日、大阪市内でスポンサー対象のオフィシャルパーティーにサプライズ登場。来月から主に中学1年を対象として育成に関わる。日本代表で培った経験と、FIFAマスターで得た知識による英才教育を約束し、将来Jリーグの監督を目指すと明言した。昨季3冠を取ったG大阪を宮本流の指導でビッググラブに飛躍させる。

 9年ぶりにG大阪に復帰した宮本氏はパーティーにゲスト出席。スポンサーの前に姿を現すと、いつものスマイルでサイン、写真撮影で紳士的に交流した。来月からジュニアユースで中学1年に特化して指導を始める。「日常的に子どもたちを教えるのは初めて。自分なりのやり方、伝え方を探したい」と熱っぽく語った。

 自分だけの強みがある。日本代表の主将を務め、国内のサッカー界を引っ張り、体で世界を体験。それだけでない。引退後、FIFAマスター(スポーツ学の大学院)で歴史、経営、法律などを学び、頭の中にも世界基準の知識を得た。「いろんな角度から見ることが出来る。自分の持っているものを伝えられる。1人の人間として、決断力のある人間を育てたい」。宮本流の育成を決めている。

 指導者キャリアで目指す先は、トップチームの監督がある。Jリーグ監督のために必要なS級ライセンスを年内に取得予定で「一番上(のカテゴリー)を目標にしている。そのために13歳以下とどうやってコミュニケーションを取るかが大事。勉強したい」。将来的に古巣G大阪の監督を目指すという目標をきっぱり話した。「そのために、下のカテゴリーでやってみたいというのが希望だった」と、1歩1歩ステップを踏むつもりだ。

 さらに野望を続けた。「日の丸を背負う選手を輩出したい。そこに貢献していきたい」。日本代表として活躍したからこそ「今のままじゃ(代表に)足りないものがある」と危機感を募らせる。世界的なアングルから育成に関わり、自らも日本を代表する指導者へと成長していく。【小杉舞】

 ◆FIFAマスター

 FIFAがスイスの教育機関と提携して運営する大学院。スポーツ団体やクラブチームの運営ノウハウを身につけるために、英国、イタリア、スイス3つの大学で、スポーツ学やビジネス論、法律などを学ぶ。毎年9月に入学し、7月に卒業。宮本氏は13年7月、日本人の元プロサッカー選手として初めて取得した。