J2横浜FCのFWカズ(三浦知良=44)が、29日に開催される「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ

 がんばろうニッポン!」(大阪・長居)への出場を志願した。20日、横浜市内でチームの再始動に参加。まだ正式オファーはないが、Jリーグから日本代表と対戦する「チーム

 アズ

 ワン」(Jリーグ選抜)選出の打診を受けているカズは、「喜んで協力したい。元気な姿で励ませたらうれしい」と話した。メンバーは明日22日に正式発表される。

 1週間ぶりに再開された練習後、カズは言葉を選びながら口を開いた。

 カズ

 被害に遭われた人にしか分からない苦労もあるし、簡単な言葉はかけられない。でも、自分はサッカー選手なのでサッカーで協力できることは喜ばしいこと。元気な姿で励ませたらいい。

 29日のチャリティーマッチは日本代表とJリーグ選抜が対戦する。Jリーグ選抜メンバー18人は22日に発表される。まだ正式オファーはないが、意向を確認する打診は届いた。もちろん前向きだ。04年12月の「新潟中越地震復興支援チャリティーマッチ」にも出場した。この時は地震発生から約1カ月半後の開催で、会場の新潟スタジアム(現東北電ス)は満員になった。

 カズ

 今回はこんなに早く開催できるとは正直思っていなかった。早ければ早いほどいいと思う。まだテレビを見られない人もいるかもしれないけど、僕のプレーする姿が少しでも伝わればいい。

 すでに万全の準備を整えている。震災の影響でオフになった14日以降も自主トレを欠かさなかった。この日のミニゲームでも2ゴールを決めた。岸野監督は「休みでも同じような練習をできるのがすごい」と敬意を表す。

 カズ

 このような状態で技術や気持ちを維持していくのは大変なこと。でもJリーグがいつ始まっても調整不足は許されない。

 チームメートやスタッフの親族にも被災者が出ている。カズ本人も福島・いわき市に住む知人が被害を受けた。そんな中、節電に協力したり、募金をするなど行動に移している。

 カズ

 つらいとかを超えている。自分なりにできることがあれば、小さなことでもやっていきたい。サッカーは僕たちのできることの1つ。みんなで集めたお金を送ることも意義のあることだと思う。

 44歳になった「キング」が、希望の光を届ける。【鎌田直秀】