元日本代表DF松田直樹さん(享年34)の死去には、山形の関係者にも衝撃を与えた。広島から新加入したばかりのFW山崎雅人(29)は、横浜での新人時代に一緒にプレー。沖縄での自主トレに誘ってもらったり、厳しい言葉をかけてもらったりと、兄貴分として慕っていた。「マツさんは選手の名前で人を見たりしなかった。私生活も節制していたし、本当にプロフェッショナルな人。亡くなったことは正直、信じられない」と言葉をつまらせた。

 松田さんとは、前橋育英高(群馬)の12年後輩にあたるMF広瀬智靖(21)も「…本当にショックです」。いつもは冗舌な男が言葉を選びながら、ひと言だけ残した。

 4日の練習開始前、中井川GMが選手を集め、悲報と体調管理の徹底を伝えた。山形は4年前から、練習場に横付けしている専用のワゴン車に自動体外式除細動器(AED)を常設。ユース、ジュニアユースにも行き届いている。トレーナーには常に選手の緊急連絡先リストを携行させていたが、2日に松田さんが倒れた直後には、選手の両親や夫人の携帯電話番号まで記載したリストに更新。危機管理に力を入れている。中井川GMは「命は何ものにもかえられないし、そういうことには今後も徹底していきたい」と悲痛な表情で話した。【湯浅知彦】