<J1:柏1-1C大阪>◇第33節◇26日◇柏

 J史上初の昇格初年度優勝を狙う柏がC大阪と引き分け、自力優勝へ王手をかけた。他チームの結果次第では優勝の可能性もあったが、2位名古屋が山形に圧勝、3位G大阪も仙台に勝ち、勝ち点2差に3チームがひしめく混戦に。決着は12月3日の最終節に持ち越された。

 会見場に現れたネルシーニョ監督(61)は終始穏やかだった。条件付きで優勝が決まる試合だったにもかかわらず「もともと(最終節は)埼玉で試合がある。90分で勝つことに何も変わりはない。勝ち点1は非常に大きい」と話した。

 いつものスタジアムとは様子が違っていた。詰め掛けた報道陣は約200人。優勝した際の表彰式のため大東チェアマンも来場。試合前にバックスタンドではサポーターがパネルを掲げ「やってやれ」の人文字を作る。FW北嶋は「報道陣が多くて、アップの前は戸惑った」と苦笑いだった。

 前半は硬かった。指揮官は「勝ちたいという気持ちで、守りがルーズになっていたのではないかと思う」と分析。ハーフタイムでMFレアンドロのポジションをやや内側に寄せて中盤を厚くした。後半3分、セットプレーで先制されても動じない。同20分にレアンドロのゴールで追いついた。

 最終節は他会場に関係なく、勝てば優勝だ。北嶋は「引き分けで優勝という中途半端なことよりすっきりする」とうなずく。埼玉での相性の良さも背中を押す。ここ3戦は1勝2分け。前回は4-1で一蹴した。試合後、選手たちはサポーターへ優勝を約束した。北嶋は「重みを感じながらプレーできてる。歴史を刻むチャンス」と00年の最終節で逃した栄光に思いを寄せた。次戦にはU-22(22歳以下)日本代表のDF酒井も合流する。気持ちをひとつにして最終戦の地、埼玉へ乗り込む。【加納慎也】