横浜の元日本代表DF波戸康広(35)が現役を引退することが28日、分かった。25日にクラブと話し合い、2年契約が満了する今季で第一線を退くことを決めた。「35歳という年齢を1つの設定目標にしてきました。一番長くお世話になって、自分を成長させてくれた横浜でユニホームを脱ぎたかった」と話した。

 今季はリーグ戦15試合に出場。5月28日の仙台戦で通算23人目となるJリーグ出場350試合も達成した。「若手のサブ組にモチベーションの上げ方を教えたりできて納得しているが、体力的に限界を感じるように正直なってきた」と引退理由を挙げた。

 95年に滝川二高から横浜Fに入団。当初はFWだったが、99年から横浜に加入するとDFも経験し、攻撃センス光るサイドバックとして活躍し、03年にはリーグ優勝にも貢献した。01年には当時のトルシエ監督に日本代表にも抜てきされ、右ウイングバックで15試合で日の丸を背負った。

 来季以降も横浜に残り、コーチ業などで後進を指導する予定。「何やるかはまだ決まっていませんが、Jを通じて成長させてもらったので、今度は自分が子どもたちの役に立ちたい」。郷里の淡路島にも自身のサッカークラブを創設する予定で「1人でも多くの子にサッカーを教えたい」と新たな目標を見据えた。

 ◆波戸康広(はと・やすひろ)1976年(昭51)5月4日、兵庫県生まれ。滝川二高3年では主将で全国高校選手権大会に出場。95年に横浜Fに入団し、98年天皇杯優勝。横浜との合併にともなって99年横浜に加入。04年途中に柏、06年からは大宮に移籍し、10年から横浜に再加入した。01年4月のスペイン戦でA代表デビュー。特技は将棋。小3で始め、小6で淡路島の大会で優勝。いまではプロ棋士から「3段の実力」とお墨付き。家族は夫人と1男1女。178センチ、72キロ。