<J1:神戸2-1札幌>◇第2節◇17日◇ホームズ

 神戸がFW都倉賢(25)の決勝ゴールで札幌に逆転勝ちし、01年以来、11年ぶりの開幕連勝発進となった。1点を追う前半22分、DF近藤岳登(31)の約1年8カ月ぶりの得点で同点に追いつき、都倉のゴールにつなげた。クラブは日本代表経験者5人を含む8人を補強したが、この日、得点に絡んだのは昨季からの“残留組”。戦力がかみ合い、ACL出場へ最高のスタートを切った。

 生き残りをかけた強烈な1発が、チームに11年ぶりの開幕2連勝を引き寄せた。同点で迎えた後半38分。2戦連続でスタメンを外れ、途中出場の都倉が、DF近藤のクロスにドンピシャのタイミングで詰め寄り、左足で蹴り込んだ。

 都倉

 なかなか試合に出られない、悔しい思いを乗り越えて、ホームで恩返しできたことが一番うれしい。

 いつもはクールなイケメンが試合後のマイクパフォーマンスで声を震わせた。2トップの一角を絶対的エースFW大久保が占めるため、残るFWはあと1枚。チームは今オフ日本代表経験者5人を含む8選手を補強した。レギュラー争いが激化し、ケガで出遅れている元日本代表FW田代やFW吉田、この日先発したMF森岡とタレントがひしめいている。

 都倉

 今は練習でも刺激がたくさんある。もちろん先発で出たいという思いはありますがブレずにやっていきたい。

 挫折を経験して強くなった。昨年6月に右足第5中足骨骨折で全治3カ月のケガを負い、シーズンを棒に振った。「もう後はない」。危機感は生活面の改善に表れた。「好きな時に好きなだけ食べていた」が、昨季途中から健康管理を考え、食事は必ず寮で取ることにした。「朝7時に必ず起きる」と決め、夜更かしも外出もやめた。

 都倉

 自分を信じてやってきたことが少しずつ形になってチームにもプラスになればいい。

 叔父はピンク・レディーの生みの親で「ペッパー警部」や「UFO」などを作曲した都倉俊一氏。「ピアノがすごいうまいなあ、と思っていた優しい普通のおじさん。あいつも頑張ってるな、と思われたい」。激烈なポジション争いに生き残り、快進撃を支える覚悟だ。【土谷美樹】