18歳ボランチが負の流れを断ち切る!

 札幌は10日、札幌・宮の沢で戦術練習などを行い、新人MF前貴之(18)が主力ボランチに入った。7日の柏戦では後半途中出場で安定感のあるプレーを披露。石崎信弘監督(54)も展開力を評価し、次節14日の名古屋戦(豊田スタジアム)でリーグ初先発する可能性が出てきた。

 石崎監督は戦術練習で、前を河合、宮沢ら主力と組ませて適性をチェックした。「柏戦でも前が入った方がボールが落ち着いた。うまく動かせていた。今日も悪くなかったよ」。名古屋戦に向け、早くもプレースキッカー役に指名するなど、リーグ1勝へのキーマンとして期待した。

 フレッシュな力を加え、チームをよみがえらせる。石崎監督は06年柏時代、3連敗後の4月22日札幌戦で20歳のFW李忠成(現サウサンプトン)を初先発させた。李は期待に応え、J初得点を決めて勝利に貢献。チームは9戦負けなしと勢いづいた。「僕も今がチャンス。結果を出して定位置を奪いたい」と前。開幕5戦未勝利だけに、勝利を呼び込み信頼を得たいところだ。

 柏戦はベンチスタートも昨季王者の戦いから学んだ。「柏の強さは中盤で支配できるから。僕らもポゼッションを高めれば、攻撃に厚みをつくれる。あとは奪った後のミスを減らすこと」。年俸480万円以上のA契約移行まで残り201分。勝利と同時に“A級ボランチ”への仲間入りも目指す。【永野高輔】