公式戦3連勝中のエスパルスと開幕から無傷のジュビロが激突する。好調同士となった今年最初の静岡ダービー(14日、アウスタ)は藤枝東出身の若き司令塔に注目だ。磐田MF山田大記(23)は開幕から巻き続けるキャプテンマークの重みがプレーの精度を上げている。

 山田が清水のルーキーMF河井陽介(22)に対抗意識を燃やした。磐田は10日、1日のオフを挟み練習を再開。早速、2部練習で調整した。藤枝東の1学年後輩となる河井に対して、山田は「個人的には負けたくない」。チームのプライドを懸けた一戦と同時に、先輩としての威厳を守る試合でもある。

 直属の後輩だからこそ、絶対に負けたくない。ともに、高校時代は名門・藤枝東で背番号10を背負った。山田は全国高校選手権に出場できなかったが、河井が3年時には全国準優勝を達成。大学進学後も、比較されることが多く、常に意識する存在だった。「プロに入ってもこうやって言ってもらえることはいいことだと思う。これから比較されるぐらいの活躍をしていければ」と山田。プロ選手としての証しでもあるA契約を結んだ後輩にエールを送る余裕も見せた。

 それでも、試合になれば容赦はしない。4日のナビスコ杯浦和戦で後半途中から出場し、値千金の決勝ゴール。前節仙台戦では正確なクロスで先制点を演出するなど、ゴールに直結する仕事を続けている。山田は「前を向いてプレーする時間が増えてきて個人としても良くなってきている」。

 勝てば、再び首位浮上の可能性がある一戦。逆に、負ければ清水よりも順位が下回る。山田は「この時期は勝ち点に差がついてくる。上位に入るためには本当に大事な試合。アウェーで勝てれば本当に気持ちがいい」とアウスタのピッチを切り裂くイメージはできている。【神谷亮磨】