左足首付近の肉離れで離脱していた札幌FW榊翔太(18)が4日、チーム練習に完全合流した。4月18日のナビスコ杯鹿島戦で負傷し全治3~4週間と診断されたが、わずか16日で復帰。高速回復だけでなく、50メートル走も速くなるなど進化して戻ってきた。明日6日の相手となる横浜は、4月4日のナビスコ杯でプロ初得点を奪った相手。猛アピールで公式戦4戦ぶりのメンバー復帰を狙う。

 18歳が驚異的な回復で戻ってきた。榊はこの日、約1時間半、雨の中、基礎練習や6対6などフルメニューを消化した。「ケガの方は問題ない。まだ復帰したばかり。横浜戦は監督が決めること。どうなるか分からないけど、とにかくアピールを続けたい」。負傷した18日のナビスコ杯鹿島戦以来公式戦4試合ぶりのベンチ入りを見据えた。

 若い細胞が、ちぎれた筋肉を短期間で元通りに治した。18日に負傷。20日に札幌市内の病院で診察を受け全治3~4週間と診断された。「トレーナーの指示通り」と昼食後から就寝まで半日、アイシングと圧迫を繰り返すケアを2週間、休まず繰り返した。体質によるが、コンディションを万全に戻すには全治日数に加え約1週間はかかる。それを真面目なケアの効果もあり、約2週間で完全に戻した。「若さでしょうか」と佐川トレーナー。榊自身も「風邪も一晩寝たら治る。回復力の早さが今回も発揮されたのかも」と驚いた。

 速いのは回復力だけではなかった。前日3日にフィジカルチェックを行うと、50メートル走でキャンプ中の測定より0・2秒速い、6秒0をたたき出した。これはチーム最速。佐川トレーナーは「骨は一度折れると太くなる。ただ筋肉は、普通は一度肉離れすると細くなる」と言う。本来なら負傷後、筋力が落ちスピードダウンするはずが、別メニュー調整中に、逆に身体能力を進化させてきた。

 チームは前日3日のC大阪戦で初勝利を挙げただけに、榊もこの勢いに乗りたいところだ。しかも相手は4月4日のナビスコ杯でプロ初得点を決めた相手だ。「もし出られたらFWとして点を取ることが役目」。ナビスコ杯鹿島戦ではプロ2点目を挙げながら、負傷交代した悔しさもある。敵地日産スタジアムでリーグ戦初ゴールを決め、たまった鬱憤(うっぷん)を晴らす。【永野高輔】