連敗阻止へ、頼もしいエースが帰ってくる。右ハムストリング肉離れで離脱していた仙台FW赤嶺真吾(28)が、12日のアウェーG大阪戦(万博)で復帰する見込みだ。チームは6日の清水戦で今季リーグ初黒星。ここ2年、清水に負けた後に勝てなくなる傾向が続いているだけに、調子の上がっていない相手にはキッチリ勝っておきたいところ。得点すれば21試合負けなしの不敗神話を持つ男が、復活弾で呪縛を解き放つ。

 赤嶺は万全だ。「(ケガは)大丈夫です。復帰する前と後で、プレーに変わった感じもない」と自信をのぞかせる。先制ゴールを決めた4月21日の東京戦で右太ももに痛みを訴え、前半だけで交代。別メニュー調整から焦らず、じっくりと仕上げてきた。9日の練習では、シュート練習にミニゲームと不安を感じさせないプレーを披露。手倉森監督も「赤嶺はだいぶいい」と話し、復帰へ障害はない。

 エース不在の間、チームは3戦1勝1分け1敗も2得点。前節は今季リーグ戦初の無得点に終わり、初めて負けた。まだ1敗、依然首位。しかし、清水に敗れてから一昨年は13戦、昨年は9戦勝てなかった。赤嶺もそれが分かっているから「連敗をしなければ、どんどん上位に食い込める。次が大事」と力を込める。ケガ明けとはいえ、求められるのはゴール。本人も「そうですね」と当然のように役割を受け止めた。

 現在17位と本来の力を発揮できていないG大阪だが「自分たちはアウェー。相手にはホームの力もあると思うので、慎重にやっていきたい」と気を引き締める。DF今野、中沢と東京時代の同僚が並ぶ相手最終ラインについては「一緒にやっていたコンさん(今野)、中沢聡太さんとまたやれるのはうれしい。特徴もある程度は知ってますよ」とニヤリ。マッチアップを心待ちにしている。仙台移籍後、得点を決めればチームは不敗。今年の仙台は、負けを引きずった過去2年とは違う。赤嶺のゴールで、それを証明する。【亀山泰宏】