ノース1発OK!

 札幌のオーストラリア代表DFジェイド・ノース(30)が15日、札幌ドームサブグラウンドでのチーム練習に合流し、紅白戦では主力組に入った。12日にW杯最終予選日本戦にフル出場。14日に再来日したばかりで、移動や連戦の疲労が不安視されたが、石崎監督は今日16日仙台戦(ユアテックスタジアム仙台)の先発にゴーサインを出した。リーグ再開初戦は、助っ人DFを軸に首位仙台を封じ、5戦ぶり勝利を呼び込む。

 短時間でフィットさせるのが代表選手だ。ノースは前日14日に成田経由で再来日。移動に半日以上かけ札幌に戻ったばかり。それでも合流初日となった15日の紅白戦では強靱(きょうじん)なフィジカルを生かした守備でDFラインをけん引した。「大丈夫じゃ。代表選手にはそれぐらいやってもらわないとね」と石崎監督。ノース本人も「ハード日程は代表選手としての宿命。とにかく仙台戦は勝ち点3にこだわりたい」と前を向いた。

 日本代表を抑えた助っ人が、今度は首位仙台の勢いを止める。W杯最終予選では右サイドバックとして2試合フル出場。12日の日本戦では、同サイドのMF香川、長友の攻撃を封じた。「日本選手はスピードとテクニックがある。でも俺たちにはフィジカルの強さがある。そこで勝負できた。Jリーグで戦う上で参考になったし、個人としても自信になった」。前回リーグ出場した5月19日の鹿島戦は自らのミスもあり7失点と大敗した。28日ぶりのリーグ戦は、日本のトップレベルの選手と対戦したノウハウも頭に入れ雪辱に挑む。

 攻撃にも積極的に参加する。「まず守備だが、チャンスがあれば得点も狙えればいいね」。熱狂的なサポーターが集結する敵地仙台戦だが、意外にも6勝7分け4敗と分は悪くない。さらに敵地で勝利した6戦は96年の初対戦からすべて助っ人がゴールを決めている。「ノース弾×敵地仙台戦=白星」の方程式で、5戦ぶり勝ち点3を呼び込む。

 前日14日に札幌・宮の沢で疲労回復メニューを終えた後は、長男ゼイン君(4)と15分間、グラウンドでサッカーを楽しんだ。5月末から代表遠征が続いていただけに「なかなか家族と会えなかったし、また仙台遠征。ちょっとした時間でも会えてリフレッシュできたよ」と笑顔が戻った。日本戦から中3日で臨むリーグ再開初戦。リーグワースト13戦28失点からの脱出を図るには、背番号3の奮起が欠かせない。【永野高輔】