<J1:名古屋5-1神戸>◇第20節◇4日◇瑞穂陸

 元五輪組もロンドン五輪代表の4強進出に祝弾を放った!

 名古屋DF田中マルクス闘莉王(31)が神戸戦にFWで出場し、4得点と大暴れ。チームを8位から5位に引き上げた。仙台は横浜と引き分け、勝ち点38で首位浮上。広島は清水に競り負け同37で2位に後退した。3位浦和は東京に後半追いつかれ痛恨のドロー。リーグ初となるJ1、2でのホームゲーム通算入場者数1000万人達成の記念試合を白星で飾れなかった。

 04年アテネ五輪代表DF闘莉王がロンドン五輪で躍動する若き代表勢に負けじと、圧倒的な働きをみせた。4年に1度。五輪イヤーのこの時期になると血が騒ぐのだろうか。FW不在で公式戦3試合連続の1トップで先発。開始2分のゴールを皮切りに後半5分までに浦和在籍時の08年7月以来となるハットトリックを達成した。これでは満足せず、終了間際のダメ押し弾で1人4発の固め打ち。プロ初の4ゴールで西野神戸を粉砕した。

 試合後のインタビューの第一声でも、もう“一撃”見舞った。「いらないでしょ。ネタは。今日はオリンピックでいっぱいでしょ」と待ち構える報道陣を笑わせた。ケネディが右膝のけが、永井もロンドン五輪で不在とFW不足。「オレはDFですよ」と言うが、急な指名にも動じず本職のFW顔負けのパフォーマンスをするから恐れ入る。同僚のGK楢崎も「闘莉王劇場だ」と脱帽した。

 日本を応援している。永井ら五輪代表は自身のアテネでの成績をはるかに上回る成績を残している。今後、生まれ育ったブラジルと戦う可能性もある。「こんなこと言っちゃおこられるけど(ブラジルより)日本を応援します」。こんなに心強い応援団はいない。【八反誠】

 ▼闘莉王が4日の神戸戦でJ1歴代5位タイとなる1試合4ゴール。J1リーグ戦で1試合4得点以上は、C大阪のFWアドリアーノが10年12月4日の磐田戦で達成して以来、13人、17度目(最多は5得点で過去4人)。この日はFWで出場したが、DF登録選手の1試合4発以上はJ1史上初。なお闘莉王のハットトリックは浦和時代の08年7月17日東京V戦(3得点)以来、4年ぶり2度目。