札幌の来季トップチーム人件費が、クラブ最少の2億円台まで減少する可能性が出てきた。矢萩竹美社長(62)が11日、今季の約5億円から半分近くまで圧縮する方向性を示唆した。来季はJ2降格にともない興業、広告など収入面の減少が予想される。過去最少だった04年の3億1800万円を下回る予算でチームを編成せざるを得ない状況に陥った。

 来季は“超”緊縮財政で戦うことが濃厚となった。今季はトップチームの人件費を5億400万円の予算で組んだが、同社長は「来年は、その半分で組むのも難しい。予算ではJ2中位ぐらいを想定している」と明かした。クラブでは来季予算の大枠について、既に検討を開始。細部の詰めは残っているが、Jリーグ配分金は約1億円に半減し、降格によって客単価も低下する。さまざまな条件を考慮し、同人件費は2億円台まで落とさざるを得ないと判断した。

 来季からはクラブライセンス制度が本格導入される。単年度赤字や債務超過を繰り返すと同ライセンスは交付されず、J1昇格の支障になる。収入に見合わない予算を立てれば、チーム運営を圧迫しかねない。同社長は「いろんな条件を考えて、来季収入はより固く見積もらなければならない」と厳しい事情を説明した。

 また、同人件費の圧縮により、保有選手数は今季スタート時の34人から30人弱に抑える方針。同社長は「例年より1カ月早く動きだす。アドバンテージを生かしたい」と話した。