<J1:広島1-2柏>◇第29節◇20日◇広島ビ

 広島ビッグアーチに悲鳴が響いた。J1首位の広島は試合終了間際に決勝点を奪われて敗れた。得失点差で首位をキープしたとはいえ、2位仙台に勝ち点54で並ばれた。森保一監督(44)監督は「たくさんのサポーターが来る中で勝利を届けられなかったのは申し訳ない」とうつむき加減に話した。

 2失点ともにロスタイムだった。前半終了間際にDFクォン・ハンジンに先制点を許す。同点の試合終了間際に、左コーナーキックから中央にいたDF増嶋に右足で押し込まれて決勝点を奪われた。その瞬間、GK西川周作(26)はうずくまった。「(攻め込まれた)試合の入りと終わりは改善する必要がある」と声を振り絞る。チーム6試合ぶりとなる敗戦にショックは大きい。

 柏の厳しいチェックに窮屈な展開が続いた。MF青山は「マークをうまく剥がせなかった。無理に縦パスを入れようとしてカウンターを受けての2失点。力不足です」と嘆いた。

 2万4839人も集まったサポーターを味方にできなかった。FW佐藤は「自分たちがポイントを勝ち取っていかないと首位にはいられない。この負けを無駄にしてはいけない」とチームを鼓舞する。下を向いている場合ではない。【中牟田康】