新顧問が古田流出を阻止する!

 J2札幌の野々村芳和新顧問(40)が11日、札幌市内のクラブ事務所に初出社した。現在、MF古田寛幸(21)がデンマーク1部ブロンビーへのトライアウト参加を検討しているが、野々村顧問は「100%残ってほしい選手」と残留を強く希望。トライアウト参加となれば移籍の可能性もあるが、新トップとして、直々に説得に乗り出すプランも明かした。

 野々村新顧問が大事なファーストミッションに立ち向かう。この日、クラブ事務所を訪れると、古田の海外挑戦について言及した。「札幌でプレーしてほしい。サッカー人として海外挑戦したい気持ちは十分、分かる。でも、まだその時期じゃないんじゃないか。古田に会って話をしてもいい」。同じ赤黒のユニホームを着て戦ってきた男として直接、説得に乗り出す構えだ。

 時期尚早との考えを持っている。トライアウト参加は、あくまで選手サイドからのアピールとなる。「海外に行くなら向こうから呼ばれて行く方がいい。もう少し札幌でプレーしたら、選手として成功する確率は上がる。そうなれば契約金も上がるしクラブにもメリットは大きい」。クラブを経営するトップとして、かつ先輩プロ選手として、しっかり日本でアピールして、オファーを待つことが最優先と提案した。

 古田自身、現時点では札幌でのプレーを第一に考えているが、実際にトライアウト参加が決まれば、アピール次第で、ブロンビー側が正式に契約に動く可能性はある。緊縮財政のため既にGK高原、MF山本、DF岩沼、FW近藤ら主力選手が他クラブに移籍。大量流出で、昨季以上に古田の去就は重要な問題になってくるだけに、ここは新顧問の腕の見せどころだ。

 チーム始動は21日に決まった。古田は、トライアウトに参加しても、始動までにチームに合流することを前提に考えている。クラブとしては遅くても15日までには参加の可否を決める方針だ。「最終的には自分で決めることが大事。それが選手としての成長につながる。海外に行く決断をしても僕は当然、応援する。ただ、100%残ってほしい選手」。まずは道産子エース説得に力を注ぎ、チーム強化につなげる。【永野高輔】