浦和が20日、さいたま市内のグラウンドで今季初の練習を行った。全国高校サッカーで優勝した鵬翔OBのFW興梠慎三(26歳)が、優勝イレブンとの約束を守ることを明かした。

 チームメートからは祝福の言葉をかけられ、「卒業して8年。後輩たちがやってくれた。感動でいっぱいだった」と話し、松崎監督が胴上げされている姿を見た時には「泣きそうになった」という。自身が高3だった04年度大会では8強だけに、喜びもひとしおだった。その途中、お祝いの話になると興梠は「それがですね」と複雑な表情を見せた。

 準決勝を前に、選手と約束したことがあった。「優勝したら欲しいものを買ってあげる」。後輩を発奮させるための激励だった。頂点を極めた選手との約束は守らなければならない。「ナイキさん、全力でお願いします」と笑いながら契約しているメーカーに頼んだ。また、決勝が雪で延期になり旅費集めに苦労しそうだと聞けば直接、監督に寄付を手渡した。初日の練習については「ここまでやるとは思わなかった」と20分間走2本などのメニューに驚いたが「後輩たちはそれだけすごいことをやってくれた」と、あらためて自らの発奮材料にした。【高橋悟史】