鹿島から新加入したC大阪DF新井場徹(33)が23日、チーム最年長としてチームを引っ張り、クラブ史上初のタイトル獲得を誓った。今季から新拠点となった大阪・舞洲練習場(大阪市此花区)で行われたチーム初練習に参加。鹿島ではリーグ3連覇を含め、7つのタイトルを獲得した優勝請負人は、若いチームに王者のメンタリティーを植え付ける。G大阪と神戸がJ2に降格。関西では唯一のJ1クラブとして期待もかかる。

 常勝軍団鹿島で何度も栄冠をつかんできたベテランが、チームの意識を改革する。この日始まったチームの全体練習に合流した新井場が、新天地でチームを引っ張っていく決意を明かした。

 「新しい挑戦になるが、鹿島でやってきたことを個人としてどこまで還元できるか。チームから期待されている部分もあると思うので、経験してきたものを出していくしかない。早くチームに溶け込んで、素の自分を出したいですね」

 鹿島時代には07年からリーグ3連覇を達成。ナビスコ杯、天皇杯も2度制しており、過去に優勝経験がなく、若手が中心のC大阪にとっては、新井場が鹿島で培ってきた経験は大きな財産となる。この日は、G大阪時代にチームメートだった同い年のFW播戸らとコミュニケーションを取るなど、初日から積極的にチームに溶け込もうとする姿勢をみせた。

 チームの精神的支柱であるFW播戸も「このチームにはタイトルが必要。新井場は俺とはタイプが違うけど、強いメンタルを持っているし、俺自身も期待している」と、最年長コンビを結成し、チームを引っ張る心意気だ。

 G大阪と神戸がJ2に降格し、関西では唯一のJ1クラブとなった。地元関西の期待も大きい。昨年14位に終わり、最終節まで残留を争ったが、チームが生まれ変わるにはベテランの力が必要だ。

 30日に来日予定のレビークルピ監督とマテルヘッドコーチ、雪の影響でドイツでトランジットができず、来日できなかったMFシンプリシオも不在の中での始動となったが、両サイドバックをこなす元日本代表候補にかかる期待は大きい。新井場は自らのプレーと姿勢でチームに新たなメンタリティーを植え付け、C大阪に初のタイトルをもたらす。【福岡吉央】

 ◆新井場徹(あらいば・とおる)1979年(昭54)7月12日、大阪府枚方市生まれ。G大阪ユース出身。97年に17歳でG大阪でデビュー。04年に鹿島に移籍。今季からC大阪に加入した。J1通算402試合22得点。ACL24試合1得点。182センチ、74キロ。