13年の前は後ろから攻める!

 札幌は30日、サッポロ・イーワンスタジアムで約2時間の練習を行った。今季、MFからDF登録に変わった2年目の前貴之(18)が、守備陣中心のトレーニングに参加。昨季はボランチ、サイドハーフなど複数ポジションをこなしたが、財前新監督は手薄なサイドバック候補に挙げており、DFラインでの貢献度を最優先に考えていく。

 高い順応性で財前札幌の穴を埋める。「DF登録ということは、まずサイドバックで、という意味にとらえている。左右両方できる強みを生かしたい」。昨季はJ1・15試合1137分に出場し、終盤は石崎前監督から「もっとも伸びた選手」と絶賛された。貴重な経験を開幕切符奪取のアドバンテージにする。

 今季最も選手層の薄いポジションだ。日高が股関節痛で昨季終盤から別メニュー調整中。左のスペシャリスト岩沼が松本に、左右をこなせた高木純も清水に移籍した。財前監督も「サイドバックは少ないからね。前にも、まずはそこをやってもらいたいと考えている」と話した。同期の小山内や新加入の松本、堀米、趙ら他の候補もいるが、J1経験者として譲るわけにはいかない。

 オフには自動車免許を取得。この日は、札幌市内の除雪ボランティアに参加した。実家がマンション住まいのため経験は少なかったが、器用にスコップで雪の塊を取り除いた。「サッカーとは違う筋肉を使うんですよね。こういう作業も大事」。左右両サイドから運転、除雪まで-。万能ニュー6番が、新生札幌のキーマンになる。【永野高輔】