磐田と清水が今日16日、午後2時から沼津・愛鷹広域公園多目的競技場で、今季初ダービーとなるプレシーズンマッチを行う。ホームの磐田は、3バックの右に日本代表DF伊野波雅彦(27)の起用が予想され、代表のチームメートでもあるDF駒野友一(31)とのコンビで清水の堅守に挑む。

 15日の磐田は前日14日に続き、紅白戦で3バックの右に伊野波が入った。正確なロングパスをFW前田遼一(31)の頭に供給。前田が落としたボールを、FW山崎亮平(23)が左サイドを駆け上がったDF山本脩斗(27)にパス。山本脩のクロスから再び前田がヘッドでゴールに押し込み、伊野波を起点に流れるような攻撃力を見せつけた。

 世界基準のカバリングとスピードを持つ伊野波が最終ラインの右に入ることで、右サイドの駒野がより高い位置で前を向いて攻撃参加するチャンスも増えてくる。鹿児島キャンプでの浦和との練習試合では、守備の時間が長く、駒野の上がりとクロスが発揮できなかった。

 伊野波は「まだ発展途上の段階でもう少し時間はかかる」と前置きした上で「コマちゃんの特徴は分かっているし、なるべく僕が右に入った時には前に行かせてあげたいし、守備への負担を減らしてあげたい。その方がコマちゃんも前に行きやすいし破壊力はある」と話す。駒野も「(伊野波は)カバリングの能力があるので、自分も後ろを気にすることもあるけど、前だけを考えながらできるかな」と相乗効果を期待した。

 キャンプ中の練習試合では、守備陣形を崩されての失点は皆無だった。森下仁志監督(40)は「(清水は)守備が堅いチーム。今、自分たちのやってることが攻守でどれぐらいできるかが分かる。いくらチャンス作ってもゴールを取らなくては話にならない。去年以上に攻撃的にいく」と話す。選手交代枠はすべて使い、さらなるポジション競争も促すつもりだ。

 初ダービーとなる伊野波は「特別な感じを楽しみたい。結果は大事ですが、前回の浦和戦よりどれだけ進化しているかが一番大事。無駄なファウルはなくして、失点をゼロに抑えることも大事」と話した。【岩田千代巳】