最強コンビが満を持して天敵退治に出陣する。仙台は22日、第13節の清水戦(25日、アイスタ)に向けて全体練習を行った。前節、試合前日になって出場停止を余儀なくされたFWウイルソン(28)はキレキレの動きを披露。昨季、赤嶺真吾(29)と合わせて27得点を量産した2トップが、唯一ゴールを奪えなかった相手が清水。たまった鬱憤(うっぷん)を爆発させ、手倉森監督に対清水初勝利をプレゼントする。

 今すぐ試合をやっても点が取れる-。そんな雰囲気が漂うほど、ウイルソンは絶好調だ。対人プレーでドリブルから豪快なシュートを決めれば、フォーメーション練習ではクロスを足で、頭で、おもしろいようにゴールへ流し込む。「本当に嫌なことがあって、ストレスもたまったけど、過ぎたことは戻らない。切り替えてチームの勝利に貢献するだけ」。出る気満々だった横浜戦は、試合前日になってまさかの出場停止。日本でも異例、母国ブラジルではまず考えられないという事態に落胆と混乱を隠せなかったが、今は目の前の試合に集中している。

 清水戦は手倉森監督の就任以降1分け5敗で、昨季も2敗を喫した。5月6日の対戦は赤嶺がケガで不在だったとはいえ、抜群の決定力を誇った2トップが唯一得点を奪えなかった相手でもある。ただ、ウイルソンは「難しい相手」と認めた上で「今年は今年。ポジティブに考えたい」とキッパリ。「特に苦手意識は感じない」といつも通りの自然体を貫く赤嶺も「2年目で相手に研究されている中でもウイルソンは良さを出している。だからチームと信頼関係ができている」と絶賛する相棒が復帰するとあって、自信をのぞかせる。

 5月に入ってロングボールを織り交ぜた戦術が機能し始め、2人そろってのゴール量産へ期待は高まる。ウイルソンが「相手に(ボールを)追いかけさせる展開が理想。ポゼッションが大事」と言えば、赤嶺は「アウェーだけど、勢いを持って入りたい」。清水を圧倒するイメージは共通している。今年こそ、鬼門をこじ開ける。【亀山泰宏】