<J2:富山3-1札幌>◇第27節◇4日◇富山

 札幌は富山に敗れ、今季初の3連勝を逃した。0-1の後半17分にMF内村圭宏(28)がクラブの日本人選手史上初となる4戦連続ゴールを決め追いくも、その後DF陣が2失点。対富山は9戦目で初黒星となった。敵地では6月8日の愛媛戦から6戦1勝5敗と苦戦。またも貯金をつくれず12勝2分け13敗で勝ち点は38のまま。プレーオフ圏6位との勝ち点差は6に広がった。

 内村の貴重な1発も空砲に終わった。0-1の後半17分、MF上里のFKを三上がシュート。GKがはじいたボールを詰め、同点には追いついたが、結局は勝ち点を拾うことはできなかった。「点を取れたのはいいけど、他にもチャンスはあった。反省が大きい」。札幌では08年ダビ以来5年ぶり、日本人選手では初となる4連発だったが、3連勝にはつながらなかった。

 プレーオフ圏浮上への大事なターニングポイントを取りこぼした。財前監督は2日の練習後「勝てる試合を取りこぼすとノーチャンスになる。ここからは1戦1戦積み上げていくことが大事」と富山戦必勝を掲げていた。結局、今季5度目となる3連勝挑戦も、また敗戦。開幕戦以来26戦ぶりの貯金チャンスも逃し「まだプラスアルファが必要ということ。追いついた後に先に点を入れられ難しい試合になってしまった」と険しい表情だった。

 18日に控える首位G大阪戦前まで連勝でいくのがチームが描く最高の青写真だった。松本戦から続く連勝を、富山、横浜FCと続け4連勝で首位に挑むはずが、微調整が必要になった。ゲームキャプテンの内村は「毎回6位が近づくと勝てない。これが僕らの現状。苦しいときにどれだけいいプレーをできるかが本当の力」と言った。ホームは4戦連続完封勝利中だが、敵地は最近6戦で1勝5敗。6月8日のアウェー愛媛戦以来9戦ぶり3失点と、夏場の敵地への苦手意識が、課題として出てきた。

 ここからは新戦力加入による化学反応にもかかっている。7日にはJ初のベトナム人選手、FWレ・コン・ビン(27)が合流する。野々村社長は「1点でも多く点を取ることに期待している」と話した。新たな力を融合し、もう1度、上位進出への勢いを取り戻す。【永野高輔】