清水のFW大前元紀(23)が30日、復帰後初得点に闘志を燃やした。この日、大分戦に向けて約1時間の最終調整を行った。今季2度目の連勝に向けて準備を整えると「チームが勝つために、自分に求められているのは得点。良い結果を残せるようにしたい」と力を込めた。

 前節鹿島戦ではFW高木俊幸(22)が、自身初のハットトリックを達成。今季初の逆転勝利の立役者となった。昨季ホットラインを形成した相棒が、完全復調をアピール。大前は「(高木)トシにマークが集中すれば自分が空く。個人的にも早くゴールは欲しい。相乗効果じゃないけど、そこから点を取れればと思う。取れればチームの状態も上向いていくしね」と、イメージを膨らませた。

 大分戦で得点を取りたい理由はまだある。敵将の田坂和昭監督(42)は、大前が08年に入団した時に清水のコーチを務めていた。当時、出場機会に恵まれなかった大前は、サテライトで指導受けた。下積み時代の恩師との初対戦に「田坂さんのおかげで腐らずにできた。また、目の前でプレーできることは楽しみです」と、目を輝かせる。

 前節鹿島戦の勝利で、チームは上昇気流をつかみかけている。「勝って、この良い流れをつなげていきたい」と大前。今季も残すところ11試合。自らのゴールで勢いを本物に変えるつもりだ。【前田和哉】