<J2:栃木4-3札幌>◇第33節◇15日◇栃木グ

 札幌がプレーオフ圏進出へ手痛い1敗を喫した。栃木に敗れ、4戦ぶりに黒星がついた。前半18分にMF前田俊介(27)のゴールで先制も、その後逆転され追いかける展開。後半に2度同点に追いつく粘りを見せたが、ロスタイムに4点目を奪われ力尽きた。勝ち点48から上積みできず順位は暫定8位。プレーオフ圏6位京都との勝ち点差は6に開いた。

 壮絶な雨中の撃ち合いを制することはできなかった。1-2で迎えた後半35分、札幌は右サイドから切り込んだMF内村が今季2度目の4戦連続ゴールで追いついたものの、4分後の39分に失点。それでも43分に、今度はFWフェホが執念のヘッドを決めて、再び3-3の同点に追いついた。

 土壇場でつかみかけた勝ち点だったが、勝負は甘くはなかった。ロスタイム5分、悲劇が待っていた。右サイドを栃木クリスティアーノに崩され、ミドルシュートを決められ今季ワーストの4失点目。財前恵一監督(45)は「逆転されて追いついたりしていたが、最後はセカンドボールへの反応の差が結果として出てしまったのでは」と敗戦を分析した。

 主将の河合をリーグ16戦ぶりに先発起用したが、トラブルに見舞われた。6月に1度、先発復帰した際、左太もも裏の肉離れを再発した。そのためリーグ戦3試合で途中出場でテストし、大学生と対戦した7日の天皇杯でまず先発起用した。万全の下準備でピッチに送り出したが、後半17分に、腹部を痛め負傷交代。肋骨(ろっこつ)骨折の疑いがあり今日16日に札幌市内の病院で精密検査を受けることになった。

 課題を見つめ直し、出直しを図る。前節岡山戦は先制されながら2点を返し逆転も、ロスタイムに追いつかれた。今回は先制し、2度追いついたが、直後に失点した。リードや、追いついて勢いづいた直後の戦い方に再浮上のポイントがある。河合に代わりボランチに入った宮沢は「点を取ってもらっているのだし後ろがもっとリスク管理をしっかりやっていれば。蹴り出さず、つなげるところはつないでやればいい場面もあった」と修正点を挙げた。

 下位相手に確実に取りたかった2戦で積み上げた勝ち点は1にとどまったが、ここが踏ん張りどき。6位京都とは勝ち点6差に開いたが、後は残り9戦に全力を注いでいくしかない。【永野高輔】