財前監督が“J1仕様”のサッカーで上位食いを狙う。J2札幌は今日27日、京都と西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場で対戦する。残り5戦のプレーオフ争いを前に財前恵一監督(45)は、まず3位京都、4位千葉、1位神戸の3連破を想定。90分主導権を握るため、相手のパスリズムを崩すプレスの動きを再確認した。難敵から勝ち点9を奪い、下位相手のラスト2戦につなげる。

 J1経験者をそろえ、細かいパスを駆使する上位陣を討つための準備を整えた。完敗した8月18日G大阪戦を参考に、指揮官は「あのときは後半からボールを回され圧倒された。そういう相手からどう奪うか。それを全員で同じくできるか」と言った。24日の戦術練習では、途中交代選手にもマークのスライドからカバーの動きまで、何度もプレーを止めて説明した。

 奪えばチャンスはつくれる。13日の天皇杯は、J1磐田相手に完封勝利した。「強い相手は、攻撃時にスペースをくれる。奪えれば、開幕時よりボールを運ぶことはできるようになっている」。序盤の対戦で敗れた京都、神戸にシーズンを通して成長した攻撃を披露し、勝ち点3につなげる。

 「この3つ勝つこと。引き分けは考えない」。5位徳島、6位長崎、8位松本はいずれも残り2戦でプレーオフ争いの該当チームと対戦する。札幌は試練の3戦を乗り越えれば岐阜、北九州と下位との連戦。前節山形戦勝利でつないだ望みを、勝って先につなげる。【永野高輔】